ある日、主人公は自室で母親と妹が話している声を耳にした。しばらくして部屋を出ると、主人公は妹から突然ひどい罵声を浴びせられてしまう。何も言い返せないまま、自室へと戻った主人公。そのとき、不意にスマートフォンの着信音が鳴り響く。 画面には「非通知」と表示されていた。また詐欺の電話か……そう思った主人公は、何も考えずに電話を切ろうとする。しかし、その瞬間――切ったはずの電話はなぜか切れず、勝手に通話が始まってしまった……
作品の内容






作品の説明
ある日、主人公は自室で母親と妹が話している声を偶然耳にした。
妹は幼い頃から主人公のことをひどく嫌っており、二人の会話からも、主人公への不満や嫌悪が痛いほど伝わってくる。
やがて話は終わり、母親は家を出ていった。
主人公も部屋から出ようとしたその瞬間――。
妹の怒鳴り声が廊下に響き渡る。
主人公は言い返すこともできず、怒りを胸の奥に押し殺したまま、自室へと引き返した。
部屋に戻った主人公は、行き場のない苛立ちをぶつけるように物へ当たり散らしていた。
そのとき、不意にスマートフォンの着信音が鳴る。
画面には「非通知」の文字。
「また詐欺か……。」
そう思った主人公は、ためらうことなく通話を切ろうとした。
だが、その瞬間――なぜか電話は勝手に繋がってしまう。
通話の相手は、どこか不気味な口調で何かを語り始めた。
しかし主人公は終始「どうせ詐欺だろ」としか思えず、話半分に聞き流していた。
やがて我慢の限界に達した主人公は、一方的に通話を切ってしまう。
切れる寸前、相手が何かを口にしたような気がしたが、その言葉だけは最後まで聞き取れなかった。
その直後――。
ぐぅ~……
腹の虫が大きく鳴る。
そういえば、まだ何も食べていなかった。
とはいえ、今は妹と顔を合わせたくない。
しばらく部屋で葛藤した末、主人公は意を決して部屋を出ることにした。
(また怒鳴られるんだろうな……。)
そう覚悟して廊下へ足を踏み出す。
しかし――。
予想していた怒鳴り声は、どこからも聞こえてこなかった。
不思議に思った主人公は、半ば自棄になって妹の目の前をわざと行ったり来たりしてみる。
だが、妹はまるで主人公の存在など最初からないかのように、何の反応も示さない。
「……え?」
何度目の前を横切っても、妹の視線は一度も主人公を捉えない。
まるで、主人公の姿が見えていないかのように――。
「まさか……。」
主人公の脳裏に、さっきの”非通知”からの電話がよみがえる。
「あの電話……本物だったのか……?」
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