触れそうで触れない距離に、消そうとしても消えない熱が残る——第2章。
作品の内容




作品の説明
肩に触れられた瞬間、熱が走った。
四十五歳の母親・高瀬初美は、ただの朝の挨拶のはずだったのに、
すでに身体の奥が疼き始めていた。
息子・陽太の掌の温度が、シャツ越しに残る。
「母さん、なんかいい匂いする」——その何気ない一言が、消そうとしていた熱を再び煽る。
触れそうで、触れない距離が、二人の間に静かに濃くなっていく。
仕事中、客に「お母さん」と呼ばれた瞬間、息子の感触が重なり、
奥まで届く熱に、身体が正直に反応してしまう。
夜、一人でその名前を零しながら、熱はさらに深く沈んでいく。
「……何を考えてるの、私。こんなこと、してはいけないのに。
でも、消そうとしても、もう消えない」
触れそうで、触れない。
なのに、熱だけが残ってしまう。
母の日常と、触れられないまま疼き続ける想いを描く、
『むすはら~息子の子供を孕むまで』第2章。
※表紙・サムネイル画像にはAIを使用しています。
総文字数:約4700文字
総ページ数:本文29ページ
作品の詳細情報
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